2019年12月22日日曜日

悪の読書日記 OHANASHIおはなし なかい みさ(著)

2019年 12月 20日
姫路からの帰り、電車の車内で・・・
ふとしたことでSNSで知り合った方のパートナーが作家だったと知る。知り合ったきっかけがきっかけだけにかと思うのだが、奥さんの本の表紙はこんな感じで。
言わずと知れたパンクバンド、セックスピストルズの「勝手にしやがれ」アルバムジャケットのパロディーである。



揺れる電車で、一気に読みだした・・・そして一気に読み終えた。

短編小説であった、表紙が表紙だけにと考えてみたが・・・6つの小説でパンクが出てくる話はない。
今の自分にとってはちょっと痛い話と感じる「スナックかいわれ」と「消灯」、「ねんねこしゃっしゃりまっせ」・・・、
そして全く異質の「うちゅう人」「西日本座敷童子協会」などの計6編。

う〜ん、日常なのである。異質の「うちゅう人」「西日本座敷童子協会」以外は。
「スナックかいわれ」「消灯」「ねんねこ・・・」など、それは日常なのである。おそらく、著者が経験や体験してきたことや、ふと偶然知り得たことなどがベースかヒントで書かれていると想像するのであるが、書かれたストーリー、それは日常なのであり。もの凄い大展開や、最後の最後にバババーン!!ってことは無く。再び少し違った日常が始まるという感じなのである。
パンク作家と言われる町田康や、ブランク・ジェネレーションのリチャード・ヘルの書くストーリーの様に無茶苦茶な世界でもなく、無茶苦茶な終わり方などはない。表紙のイメージから読み始めると、ちょっと足をすくわれる。

ちょっとばかり暗い空の下での話、夜の世界の話、ちょっと小生には経験やあまり考えたことのない世界。こんな世界のあるのであると。


しかし、前述に異質と書いた「西日本座敷童子協会」は個人的に非常に興味深い。各地の座敷童子がSNSで近況を報告しお互い励ましあうという話。話というかSNSのやりとりである。これも「日常」なのであるが、アイデア、書き方など気に入った!!何十年か後にはSNSって何?っていう時代になると思うのだが、そんな事は関係なく「西日本座敷童子協会」はコトバとしてストーリーとして、日常の一部として本の中で残り続けるのである。

唯一、この話は俺にはパンクである。


どういう経緯で著者がこの本を出版したのか?編集者がどうやってこの本の出版を考えたのかは全く知らないし、著者ご本人んとも会ったこともないので解らないのだが、次作に期待したいと思う。


0 件のコメント:

コメントを投稿