2020年6月17日水曜日

惡の読書日記  哲学・宗教の授業 佐藤優(著)

2020年 6月 17日

「世界のエリートが学んでいる 哲学・宗教の授業」というのが正しいタイトルである。しかしタイトルは出版社が付けたと思うのだが個人的には明らかに誤りだと感じる。「世界のエリートが」というコトバをタイトルにすれば良く売れるなどというデータがあるのかと思う。本屋にもアマゾンにも「世界のエリートが知ってる・・・」「世界のエリートが学んでいる・・・」などというタイトルの本があふれているが本書はそんなタイトルを付けなくても大学の授業の極一部分を抜粋して集めて編集しただけだが読むに値する本であり著者であり著者の佐藤優氏のお得意の閉鎖的日本への「警告書」である。この本を読んで次のステップへ行く為の本であり本書を読んでも教養が付く訳でもない。大学の授業を再現とも帯には書いているが「考える」ことが大事で「読む事」は考えることとは少し異なる。


もし「世界のエリート・・・」というコトバをタイトルに入れるのであれば「世界のエリートならこれくらいの事は知っている 宗教・哲学の授業」とした方が個人的にはスッキリする。出版業界も編集者の仕事の現実を知らないから小生は言いたいことをいってるだけなのであるがそれくらい我々日本人は無知なのであろうと感じて自分の知識レベルの低さを本書を読んで感じてしまった。そして世界のエリートはこれくらいの事は知っているが日本のエリートと呼ばれる人や政治家などはこんな事は全く解らないのであろう。それは大学で教える勉強が理系なら理系だけをマスターして文系なら文系だけをマスターすれば良いということから分数の計算が出来ない文系大学生が存在するという視界の狭い人間を作り出している問題もあるそうだ。海外の大学は理系でも文学や哲学を学びマスターしないと卒業できないそうだ。日本の文系卒業の大学生が分数の計算が出来ないというのは事実であり小生の勤務先の今年の新入社員の大卒新人君は分数の足し算が記憶の彼方で答えが解らず、工業高校を卒業した高卒新人達は電気科だったのでオームの法則を理解していたので深く考えること無く答えを導き出した。大学のレベルに関係なく日本はこうなっているのだと驚くばかりである。
それは大卒の新人君が悪いのではなくこんなバカな世界をここまで築いてしまった我々大人と政府の責任である。入学式を9月にしようとか言う前にすべきことは膨大でありそれが日本の未来に直結して繋がることを理解する必要があると言える。

日本人はよく自分を無宗教などというが実際は・・・と何度かこのブログで書いたと思う。我々は世界の宗教を知らな過ぎているのだとこの本を読んで感じる。その為海外で起きているとてつもない問題の本質が理解出来ていないのだ。バチカンが200年〜300年スパンで世界戦略を考えているなんて思ってもみなかった。バチカンもローマ教皇も単にキリスト教の宗派も大親分としかイメージがないので政治からは距離を置いて万が一のご意見番くらいにしか思っていなかったが実は話は複雑過ぎるのだ。
またビン・ラディンはサウジアラビアの悪態に手を貸すアメリカに腹を立ててアメリカに強烈なテロ行為をぶちかましたがテロという行為は悪いがサウジアラビアの宗教のレンジの広すぎる自己勝手な解釈は真面目な信者から見れば悪そのもであり。そのサウジアラビアをサポートするアメリカは本当に悪い奴等に見えてきたのだろう。昔はお互いに仲が良かった関係なのにと世界の宗教をいま以上知っていれば見る世界は非常に変わるのだろうが自分の宗教に関しては無宗教といいながら生きてる行動は常に仏教的な日本人なのである。無宗教を世覆う人が他国の宗教に興味を持つことなんてありえるのか?


冒頭に本書を読んでも教養が付く訳でもないと書いたが。ヒトラーは読書家であったがインテリでなかったそうだ、教養が無かったので「トンデモ本」を読んでユダヤ人陰謀説を真実と思い込んでユダヤ人を倒そう!と宣言したら、当時の世間がそれに賛同してしまった為に総統にまでホイホイとなってしまいあのような結果になったらしい。ちょうどその頃ドイツは戦争に負けて国民は疲れきっていたがユダヤ人は自分たちでうまくお金を回していたのでドイツ人から見れば目の敵だったのである。あのドイツ人でさえ方向性を謝るほど当時のドイツの人々は精神的に疲れきっていたのだ。

つまり下手をすると教養のない総理大臣に騙されてコロナ騒動で精神的に疲れた日本人が良からぬ方向へ走るかもしれず。その為には朝からワイドショーを観てコロナ騒動ウィルスに感染する様な事が無いよう、アホなメディアに騙されないように実学を学ばなければならない。
世界は我々日本人が思っているよりも遥かに複雑なのだと感じ過ぎた。日常はドメスティックな範囲での仕事しかしていないから『これで良いのだ』ではもう済まされない。天才バカボンのパパでは済まされない時代なのだ。

2020年6月14日日曜日

悪の毒書日記 最強の働き方 佐藤優(著)

2020年 6月 14日

世の中は知らないことばかりだ、一人の人間からの情報や知識だけを100%鵜呑みにして物事を考えていくことは怖ろしいと思った。それは佐藤優氏でも同じである。佐藤優氏の書籍からの事だけを指針として生きていくというのは余りにも危険で、新聞の書いてあることは正しいと思い込み、朝日新聞を読み、報道ステーションを観ている日常までは行かないも。行為としては同じかもしれない。



さて、これからの残りの人生をどう働くかである。職場の上司は57歳かなんかで、60歳になったら定年退職してやる、60歳を過ぎたらもうおらんからな!!と嘘かほんまか小生に脱出宣言の如く60歳定年退職宣言してくる。「死ぬまでどうないすんねん?」。逆に数カ月前に職場に入社してきた新入社員に「新入社員一年目の教科書」という本を渡して読ませたが(選んだのは小生ではない)、この本でも良かったのかと思ったが、いや違う。一瞬だけだった。ただ、新入社員にも言っておくべき内容がところどころに有るのは事実。しかし、この本はある意味相当難しい・・・。漫画「攻殻機動隊」の様に欄外に細かく説明が書かれているが、これを読んでも、興味を持っても少しの就職経験が無ければかなりピンとこないはずだ。小生も資本論を読んでいないので解らない部分や、資本論を理解しておけば佐藤氏の言ってることの本質が深く理解できたはずだ。

そして、マスメディアが報じていることを完全に鵜呑みにしてはいけない・・・
AI技術が主流になっても、人間が判断する仕事は相当ある。
ベーシックインカムは荒唐無稽。
トマス・ピケティはマルクス経済学を全く勉強していない。
など
しかし、これは佐藤氏の意見であり、真実かどうか?果たして真実と認識するかどうか、最後は自分の頭で考えなくてはいいけないのだ。

「最強の働き方」というタイトルながら、働き方のハウツーなんて全く書いていない。ハウツー本であるならば、そもそも購入していないのだが。こうやって働きましょう!ってなことでもない。ただ、これからはこうやって行きたほうが良いですよ!ってくらいの事は書いているが、そこは佐藤優氏のいい意味で優しさ、自分で勉強して考えないと身にならないとばかりに本書を纏めている。
確かにそうである、1500円の本だけで人生の指針となればそれは大問題である。本はきっかけやスタート地点に過ぎないのだ。それを知っている著者であるから、安易に答えを書いてはいないし、答え自身が読者によって千差万別なにに簡単に書けるわけはないのである。


残りの人生、どう生きるか?
残りの労働者人生、どう生きるか?
さて、何を学ぶ?

で、労働ってなんなんや?