2019年9月16日月曜日

悪の読書日記 ワーカーズ・ダイジェスト 津村記久子(著)

2019年 9月 15日

今週はハッキリ言って働き過ぎなのである。先週は土曜日が出勤日で、翌日の日曜日も出勤して、今週は土曜日曜と出勤したので、どう考えても働き過ぎなのである。連続何日か?カウントするのもアホらしいというか、少々精神的に壊れてきているのでヤバイと思われているのかもしれない。仕事は好きか嫌いか?昔は嫌いだったが、いまは少し違うような気がする。というより、昔は勤務先の会社が嫌いで仕事は好きだった?いや反対か?そうでもないか?・・・働くことは嫌いじゃない。勤務先の会社もブラック企業じゃないから、休日に働いた分は休暇を頂くなり対応してもらってる。


『ワーカーズダイジェスト』を読まなければいけない(must状態)事に気がついたのは、今週の日曜か月曜であった。水曜日には噺家某SC氏が主催の恒例の読書会で、今回の課題本は『ワーカーズダイジェスト』なのである。噺家某SC氏の放った刺客がこの本なのである。水曜日は落語会と読書会・・・時間はあんまりなかった。


急いで読み始めたワーカーズダイジェスト。作者も初めてきく作者「津村記久子」さんで、どんな作家の方なのか、どんな本かも殆ど解らず。友人からはいい本で、友人は著者の大ファンだとか・・・それくらいしかこの本については知らず。
読み始めるとどうやらこれは大阪が舞台の話しではないか。同じ姓「佐藤」さん男女が仕事で大阪は梅田のホテルグランヴィアのロビーで待ち合わせて、向かって左の喫茶店で打ち合わせをする。コーヒーは高めだと。
実はその前の水曜日、とある会社の人から呼び出され、初めて合う方と同じホテルグランヴィアのロビーの前で待ち合わせ、そして左に曲がって喫茶店で打ち合わせをした。全く同じだ・・・違うのはこっちは男と男(俺)であるくらいか。

佐藤さん達は別々の職場で仕事をしていて、ホテルグランヴィアで初めて出会ってすぐに「おつかれさま〜って」別れて直後に地下のカレーのサンマルコで偶然合ったが。その後も二人が出くわすことはなく、この話は淡々と進んでいく・・・恋愛小説かと思ったが、二人がそのあとラーメン屋で偶然に合ったとかというエピソードはなく、並行した話が本当に淡々と進んでいくのである。たまたま男性の佐藤さんが女性の佐藤さんが文章を書いている本を見つけるが、佐藤さんに連絡を取ろうとかすることはぜす、そのまま話はまたしても淡々と進んでいく。

しかもやけに細いことばかり書いているのだ。
女性の佐藤さんはバズコックなんて聴いている・・・、嘘言うな、バズコックなんて誰が聴くんねん??!! バズコックなんて、Xレイスペックを聴いてる奴より少ないで!スミスかモリッシーくらいにしとけば良かったんや!!
男性の佐藤さんはモンティ・パイソンのDVDを持っている・・・、嘘言うな、日本のバラエティ番組が好きなやつはモンティ・パイソンなんて観ねーよ!!未来世紀ブラジルのDVDか12モンキーズにしとけば良かったんや!!
と、俺は変態だから「リアル感がない!」と一人突っ込みを入れながら読む。
話は描写が細い割に全体のスピードがやたら早い。男性佐藤さんの施工しているマンションは知らん間に完成しているし、気がつけばまた正月だったりと細い設定云々の描写とこの全体のスピード感のギャップが面白いというか気になる。前述の突っ込みの部分を差し引いてもこの感覚が面白いのだ。土地勘があるのでそれも幸いにして面白さがアップしているのだろうと思うのだが、何時になったらこの二人は再び出会うのか?と。
この本の大阪の地名などはトゲトゲしくも大阪です!!って感じが全く無いので東京の人でも、大阪の土地勘が無い人でも殆ど問題ないと思う。知らないより知っている方が面白いのは当たり前である。

ところでこの小説に出てくる『スパカツ』って本当にあるのだろうか、あればどこで食べれれるのだ?読書会に集まった十数人も噺家某SC氏も誰もネットで調べて来なかった・・・本当にあるのかどうか?誰も知らなかった、このインターネット全盛時代に。そして小生もまだ調べてない。

昔みた、香港のウォン・カーウェイ監督の映画に、こんな映画は無かったかな?2つの並行した話が淡々と進んでいく映画、タランティーノの初期作品なんてこんな感じだった、時間軸が無茶苦茶にしていて面白かったのを思い出す。
なんか、そんな映画を観ている感じが・・・香港では無いが、大阪の街で決して若いとは言えない男女の話が並行して最後まで進んでいく。
今、再度よく考えて解ったのだが、タイトルの通りワーカーズダイジェスト。仕事のこと、人間関係・・・どこの職場でもこんな事があるっていうのがダイジェスト。ものすごい時間の速い感覚の中でポンポンと出てくる。それが男性の佐藤さん、女性の佐藤さんの目で。
『仕事してますねん!!』と。だから恋愛よりも仕事の話が優先で、恋愛は脇役にしか過ぎないのかもしれない。

そして最後に二人は公演で偶然出くわす。再会するのである・・・

これからどうなったかって?
終わり方が花登筺脚本のドラマの終わり方みたいやんけ、大阪を舞台にした小説やからこうなるんか?

俺は来週も働く、バズコックは聴かないが、スリッツやXレイ・スペックは大好きである。


噺家某SC氏こと笑福亭智丸氏



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