2019年8月12日月曜日

悪の読書日記  運をつかむ瞑想法 青木宏之(著)

 2019年  8月  12日

昼間から、動画サイトでThe CUREの何処かの国での完全ライブ動画を見ながら読書日記を書く。

この世でもっとも尊敬するミュージシャンの一人と言える近藤等則氏が昔々から実践している武術が『新体道』である。近藤氏の書籍やインタビューにはかなりの高確率で登場するのが『新体道』である。かのマイルスはボクシング、近藤等則は新体道、三島由紀夫は剣道にボディビル、ボクシングである。

そんな尊敬するミュージシャンがやってる武術なんて、やってみようとか興味を持つのが普通だが、興味はあるが武術なんて実は相当苦手である(高校時代の柔道なんて特に・・・)。そんな事を思っていたのは30年近く前からで、ここ数カ月人生色々あってさらに近藤等則IMAバンドが再結成したこともあり、精神的不健康からの脱出と併せて、ほぼ毎日近藤等則の奏でる電気ラッパの音階とヴァイブレーションを頻繁に聴いて感じているしだい・・・・。



そんななか古本で見つけたのが本書である。新体道の第一人者である青木宏之氏(著)『できるビジネスマンが実践している―運をつかむ瞑想法』。タイトルから言えば最近の本の様な感じだが、2004年発行の本である。この頃に瞑想の本を書いている事が凄いという感じであり、「できるビジネスマンが実践している」という(出版社が着けたと思われる)サブタイトルの一部も、2004年でこのタイトルは珍しかったのでは?と感じる。少し変えれば「できる外資系ビジネスマンが実践している―運をつかむ瞑想法』など、2019年の本屋に並ぶ本のタイトルに相当近くなる気がするし、相当売れそうな気もする。
著者も出版社もかなり時代を進んでいたのかと思わせる・・・青木宏之氏が瞑想の本を出版していたことさえ知らなかった。何冊か新体道の書籍はだされているとは聞いたことがあったが。

最近では瞑想といえば、Googleが採用して実践している事で世の瞑想に関する書籍の殆どにこの事が書かれている。マインドフルネスなんて言葉も当たり前だが本書には一切出てこない。しかし、全く時代を感じさせないのである(当たり前の話であるが)。そもそもマインドフルネスは瞑想だけの事ではないのだが・・・いつの間にか=(イコール、同じ定義)として捉える人も居られる感じだ。

これまで数冊瞑想やマインドフルネスに関する本を読んできたが、明らかにこの本は瞑想に関する敷居を素晴らしく低く設定して書かれているのが読んでいて解かる。当時の時代背景もあったのだと思うが解りやすく、瞑想に至った過程についての説明なども面白く、興味をひかれる。
特に瞑想中は心を「無」にしましょう、「空」にしましょう・・・とよく言われるのだが。実際に人間の脳は心を「無」にする事は簡単に出来ない仕組みなのである、その点をこの本は強く説明している。実は瞑想をする人で心を「空」に出来なくて、うまく行かないと感じる人が多いのだが、そういった人からみても良くできている瞑想の本であると思う。
なぜなら、青木氏は心を「空」にするのは結果であり、瞑想の目的は「空」にすることではないと書いている。まさにこれであったとやっと気がついた。

さらに武道家の書かれた瞑想だけあって「礼」にはじまり「礼」に終わるという瞑想も始めて読んだしだいである。しかもウォーミングアップまであるのである。この点は非常に面白い、瞑想というスタイルが出来た頃にウォーミングアップなんて発想や考えは無かったはずである。確かに10分以上同じ姿勢を続けたりするには正直ウォーミングアップは必須だと言える。

また、この本を読めば読むほど人間と自然の繋がりを強く感じる。近藤等則氏の奏でる音の根源はきっとここにあるんだろうと確認できる。近藤氏は自然の繋がりを求めてアラスカやヒマラヤ、中東の砂漠でラッパを吹いたりすのだろうと思う。誰もいない雪山や砂漠でラッパを吹くなんて、観客の居ない競技場での格闘家の自己満足な試合と同じではないかと思っていたのが正直なところ。(尊敬するがゆえに正直な気持ちであった)。しかし、この本でそれは相当違うと解った。

おそらく、この本の瞑想法はGoogleや外資系の企業では採用されない瞑想法だと思うが、もし今から瞑想を始めようと思うのであれば、世に出ているどの本よりも最初に読むにはふさわしいのではないだろうか。『きるビジネスマンが実践している』なんていうタイトルは不要である!!

正直小生も、瞑想のスタイルを変えてみようと実践中である。しかし、瞑想なんて正直、自己流でいいのではないかとも最近思い始めたのも事実である。

正解なんていうのが存在しないことも世の中には沢山ある・・・。


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