2020年3月6日金曜日

悪の読書日記 違った意味で人生を変える南の島々 高城剛(著)

2020年 3月 6日

本の読みかたを教えてくれた人物は複数存在する。その中の一人がクリエイターの高城剛である。



本は読む前から読書だ、本を選ぶところから読書は始まっているという高城氏。本を買うために食費を削った時期もあったという彼の人生相談(単なるQ&A)には本を読んだらどうだというアンサーが多い。貪るように本を読もうとしているいま、自宅の寝室は積ん読の山と日々Amazonマーケットプレイスとメルカリで購入した本が積まれている。ベッドの上にはWIREDの最近発売された五冊が積まれ、ベッドの上の寝ながらビデオと音楽も聴くAmazonのKindleのなかにはまだ読まれていない本こと電子書籍も存在するなど、年内本を買わなくても良いだろうと3月の初旬にも関わらず思うのだ。
思っているのだが気がつけば日々メルカリやAmazon、Amazonマーケットプレイスから本が送られてくる。
時々届いた封筒に記憶が無いときがあり、封を開いて買ったことを思い出す。もはや古本屋ではないかと思うのだが上には上がいるのだ。大抵そんなことである。本当にすごい奴は本を買い過ぎたなんていう発想は起きない。俺はまだまだ‥‥そんな奴等の足元にも及ばないのだと自分を納得させてまた本を買う。読むペースと買うペースは開くばかり。しかし、速読なんてつまらないことはやりませんよ。

平素お世話になっているとあるスペース‥‥‥とある企業の会議室兼図書室で勉強スペース。ここのオーナー兼主催者の蔵書本が綺麗に並べられている。その冊数は忘れたが。このオーナーであり主催者も本の読み方を教えてくれた一人である。このオーナーがここでしか読めない一冊しか存在しない本とか作ろうか‥‥と最近言ってこられた。いきなり言われても思いつくのはポルノ小説かなとアホなことが一瞬脳みそをかすめる。書きたい本は「お話し」でなく日々思ったことを纏めた内容の方がいいのかと考えたが、それってこのブログじゃんか?と。
何を書けばいい?
そういえばハリー・ポッターの作者J.K.ローリングの最新作の本は一冊しかなくて、それがオークションでとてつもない高額で競り落としたのはAmazonの創業者だった。一冊しかない本、いつかは誰かがオークションに出品するほどになるのか人生は迷走だ。ハリー・ポッターの作者は健在だが、カフカは死んでから書いていた本が出版されて有名人になった、本人は知ることもなく。

尊敬するクリエイターの高城剛は南の島の夕日を写真に撮ることを生き甲斐としており、彼のトークショーでは彼本人が撮影した南の島の夕焼けが使われることがある。そして数冊『人生を変える南の島々』という本を出版している。取材から写真とコトバは全て高城剛によるものである。そして2016年の12月、彼のトークショーで『違った意味で人生を変える南の島々』が記念品として参加者へ配布された。




これは真意か否、読者が間違えてとんでもない南の島に行かないようにとのガイド本である。数日前にメルカリでやっと購入した。
届いて驚くのは本のカバー(?)と実際の本である。やり過ぎやろ?と笑わせる演出というかこういった面白さは本好きにしか理解できず。紙の本の良さを理解し尽くした高城氏であり、しかし買っている本は電子書籍っが圧倒的に多いそうだ。確かに仕事柄移動が多いと電子書籍ほど素晴らしい物は無いと思う時があり、小生も四国の高知県へ向かう高速バスの中で電子書籍を買いまくる事をした経験がある。ただ装丁とか紙の質感とか、このページの右側のこの辺にこう書いていたなどという記憶や感触などの表現できない感覚がないのである。

それに比べるとこの本は面白い。真逆だ!本の世界を知り尽くしたというだけでなく、本の世界に取り憑かれた男の面白本、しかも『非売品』でAmazonでは売っていない。内容はもっと面白い・・・
日本のテレビで、楽園だ!素晴らしい!、美しい!ってな感じで紹介されている南の島が、実はとんでもない島だったりするそうだ、その島も紹介している。ほかに、米軍の基地があってリアル秘密基地の為、地図に無い島。旧日本軍の軍艦が周りに沈む島、毒蛇の無人島、テロリストの島、ゴミの島、昔ボブディランに楽園と歌われいまは廃墟の島・・・悲しいのが太平洋戦争以前は日本の領土だった島が多いということ。日本が強かったとか、昔の日本は・・・でなく、先進国の勝手な態度で本来住んでいた人々の人生や生活が無茶苦茶になったんだろうと思うと悲しい。あまりこのあたりの話は出てこないし、よく我々が先の戦争での悲しい話をしたり、サイパン島の海に残る日本人の遺骨の話をするが、まだまだ南の島へ行けば沈没した日本軍の戦艦と共に遺骨が沈んでいるんだろうと思う。
高城もこんな海でダイビングして沈没した日本の戦艦を見ても何だか・・・ってな意味のことを書いている。


しかし、日本のメディアで絶賛美しいと賞賛された島が実はこんな島だ!と紹介されているそうで、メディアの戦略とは怖ろしいと感じるのである・・・そんな旅行会社とのタイアップで発売されている旅行書でなく、リアルな旅行書である高城剛の『人生を変える南の島々』シリーズの『裏本』である『違った意味で人生を変える南の島々』。まさに本来の旅行書であり、すばらしき紙の本であると言えるのである。紹介された島々には絶対に行きたくない。



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