2019年5月4日土曜日

悪の読書日記 メタル脳 中野信子(著)

2019年 5月 4日

今回は『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』 中野信子(著)である。先日、音楽を始めた経緯についてこのブログで少し触れたが、メタルも聴くのである。生まれも育ちも大阪、関西人はメタルが好きなのです、多分。いや一部の方々だけだと思うのだが。
読書と並ぶ人生の大事な行動、ライフワークにオープンウオータースイミングというのをやっているのだが、このレース会場にくる人のほとんどが、これまで参加したレースで入手した参加賞のTシャツを着ていたり、学生は所属大学のTシャツを着たりされていますが。昨年とあるレースでいつもの如くアイアンメイデンのTシャツを着てあるいていると、初めて「アイアンメイデン好きなんですか?」と見知らぬ人に声を掛けられたのですが、その方は「ジューダス」のTシャツを着ていた・・・。



『メタル脳』の著者、中野信子氏は有名な方らしくテレビ等にもよく出演されているらしい。また、著書もかなり多数発表されている方であると、読み終わってアマゾンで検索したら解ったしだい。テレビは殆ど観ない(海外ドラマのみ)ので全く知らなかった。
よく欲求不満最高値更新で音楽を聴きまくって現実から逃避したり、メタルに限らず音楽でストレスを解消する人が多い世の中だが、単にストレス解消にはメタルです。アイアンメイデンの最近のライブ盤はギターが3人なので、右、左、中央とギターの音をヘッドホンで聴き分けて聴くと頭にいいですとか、アイアンメイデンは他人に優しいチャリティー活動が好きとか・・・そんな解説を集めて「やっぱりメタルよね?」という本ではなく。著者のこれまでの経験と併せて出処の明確な学術論文をベースに、「なぜメタルなのか?」を解説されている(巻末に論文の掲載サイトも明記されている)のが当たり前だが凄い。例えば、数年前に話題になったモーツァルト療法は嘘だったそうである。

冒頭でも少し書いたが、前回このブログで小生は昔々、インプロビゼイションいわゆる即興演奏をしてたと書いてたくせにメタルか?と思われるかもしれないが、音楽のきっかけはパンクだったりと…書いていた通り、そこにはご承知の通り重なる部分が多いのも事実で、馬鹿テクのハードコアはいつしか、パンクでもなくメタルでもなくいいあんばいになるのは日本もイギリスも同じような気がする。
また、自宅でギターの練習をするときは、殆どがメタルの曲をコピーしてみることにしている。昔々より他人の曲は人前で弾かないが、自宅では練習として他人様の曲で練習したり、数値を音にすることで脳ミソを鍛えられるという研究結果があるということでいまも脳ミソの活性化ということでギターの練習はやっていると、やるなら難易度の高いメタルの曲で練習する様にしている。

本書を読んでいて、色々なメタル好きの考え方など、あっこれそうなんよね〜っと自分自身で思うところと、同僚のメタラーも本書に書いてある内容と同じ行動、同じ性格であるところを見ると、科学的に我々はメタル脳なのであろうと簡単に判断できてしまう。

メタル好きの興味深いところは、「偽メタル」というような作為的に作られたのが嫌いな為、世の中の胡散臭い奴を容易に判断できてしまう。最新アルバムで歌詞の内容や音が大幅に変化すると失望だけでなく、裏切られたと思ってしまう。さらに自分たちの仲間以外の存在を攻撃してしまう恐れもある。この点はメタル好きに限らず、アメリカ西海岸のパンク、ストレートエッジ(XXX)などは、自分達の思想以外の人々や、ちょっと横道にそれてしまった仲間を暴力的にバッシングする傾向があるのと同じだと考えれる。やはりパンクとメタルは通じるところがあるのか…と、思いきや、著者はメタルは非社会性、パンクは反社会性だと、確かにそれは言えるかもしれない。

非常に面白く読まさせて頂いた。よくある巻末にアルバムガイドみたいな、このアルバムが良い…みたいなページが無いところが、著者の思い入れを感じる。
しかし、この先を書いて頂きたかったと思う。この状態ではなんか、正しく脳を鍛える本(脳トレじゃないですよ!)とあまり変わらない気がする。知りたい、読みたいのはさらにその先なのである。

また、バンド紹介でナパーム・デスを紹介されていたが、メタルが日本的であるという内容を書くなら、初期のナパーム・デスのヴォーカルスタイルは日本のバンドG.I.S.M.のセカンドアルバムに影響を受けてること。また大阪のSOBというバンドと親交が深かったことも書いてくれた方がコミュニティ、オタク的であるという話が濃くなった気もするのだが。
ここまでくると懐かしき『へぇ~』になるのだが、ナパーム・デスの世界最短の曲は『へぇ~』で紹介されていたのも事実である。



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